今、ソフトウェア業界で話題になっている1冊の本があります。『「納品」をなくせばうまくいく』(日本実業出版社)。著者は株式会社ソニックガーデン代表取締役の倉貫義人氏です。 倉貫氏が提唱する「納品のない受託開発」とは、月額定額制で、あたかも顧客企業の顧問エンジニアのように、毎月の決まった金額の中で開発と運用を行うというビジネスモデル。「要件定義をしない」「見積もりをしない」「エンジニアを受注先に派遣しない」「1人のエンジニアが設計から開発、運用まですべてを担当する」など、これまで主流だった一括請負型のシステム開発の常識を覆す画期的なスタイルを確立し、着々と実績を挙げています。 『「納品」をなくせばうまくいく』をサイボウズの青野慶久社長が読み、感銘を受けたことからこの対談が実現しました。対談の前編では、従来の一括請負型のシステム開発のどこに問題があり、またその問題は何故生じてきたのかについて意見