湯川遥菜さん(42)=千葉市花見川区=とフリージャーナリスト後藤健二さん(47)=東京都港区=が、過激派「イスラム国」とみられるグループに人質とされた事件を、特別な思いで注視する人がいる。かつてイラクで人質として一時拘束された今井紀明さん(29)=現NPO法人共同代表=だ。「自己責任」を問われた自らの体験を踏まえ、激しいバッシングが起きるのではないかと懸念している。社会全体で「寛容に(日本政府の救出努力を)見守るようなムードになってほしい」と願う。 「拘束された時の強い恐怖がよみがえった」。二人の殺害を警告するビデオ声明が飛び込んできた時、二〇〇四年四月にボランティア高遠(たかとお)菜穂子さんら二人と共に武装グループに拉致された時のことを思い出さずにはいられなかった。 今井さんらは銃で武装した男らに取り囲まれて目隠しをされ、様子をビデオで撮影された。武装グループは当時イラクに駐留していた