捜査対象者の車に裁判所の令状なく全地球測位システム(GPS)端末を取り付けた広島県警の捜査手法が違法かどうかが争われた広域連続窃盗事件の控訴審判決で、広島高裁(多和田隆史裁判長)は21日、GPSを使った捜査によるプライバシーの侵害を認めず、捜査を適法と判断した。 1審・広島地裁福山支部判決も違法性を否定していた。 GPS捜査については、3月に大阪高裁判決が妥当と認めたが、6月に名古屋高裁判決が違法とするなど、司法判断が割れている。 広島高裁判決によると、無職の被告(66)は2013年6~11月、広島、島根、岡山各県で事務所荒らしなど15件の窃盗を繰り返すなどした。広島県警は行動把握のため同年7月、被告らの車に端末を取り付け、気づかれて投棄されるまでの約1か月間に1日20回程度、位置情報を検索した。