統計学的検定の話を始めたら自分の勉強の方が止まらなくなってしまったので(笑)、ついでにやってみようと思います。ちなみにこの記事は前回のやたらブクマを集めた記事の続きみたいなものです。 そもそもビジネスの現場ではどういう「レベル」の統計学を使うべきなのか - 六本木で働くデータサイエンティストのブログ 例えば有意ではないという結果になった時にそれが「実際に帰無仮説が真」なのか「単にサンプルサイズが小さくて検出力が足りないだけ」なのか判断せよという問題。前者なら果てしなくサンプルサイズを大きくしても有意にはならないし、後者なら今度は効果量(effect size)のことを考えなければいけません。 というように前回の記事では検出力(statistical power)と効果量(effect size)について触れたんですが、タイムリーに先日の第36回TokyoRでその辺の話をしてきたので*1、そ
効果量は,データの単位に依存しない標準化された効果の程度を表す指標です.効果とは,データの差・影響・相関・連関のことです.効果量は単位の異なる研究から得られた効果の比較や人数の異なる研究から得られた効果の比較が可能です.例えば,論文Aの報告で若年群と高齢群の膝伸展筋力の差が平均30±10kgだったとします.次に論文Bの報告では若年群と高齢群の膝伸展筋力の差が平均20±30N(ニュートン)だったとします.この結果を見て,論文BよりもAの差が大きいとは言えません.それはデータの単位がkgとNで異なるからです.どちらの論文の結果の差が大きいかを比べたいときは,効果量を求めて比較すると明確になります.なお,効果量はノンパラメトリックな手法(ノンパラメトリック検定)が対象となるデータでも算出できるものがあります. また効果量には,いくつか種類があり,特にrという効果量と,dという効果量の2種類が代表
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