左)こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社)上巻・右)こうの史代「この世界の片隅に」下巻より 彼女が描いた絵のことをどうかお願い、いつまでも覚えていおいて 完結と同時に大きな衝撃を与えた『この世界の片隅に』には、戦時下の日本に生きた「普通」の人々の暮らしがゆるやかに淡々と描かれている。戦争という非日常が日常になる、異常。その現実の歪みを少女・すずの成長を通し、彼女の目で視る。 ヒロイン・すずとはどんな少女だったのだろうか? こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社)上巻 おちょこちょいでドジっ子。だけど誰よりも絵を描くことが好きなすずは、白紙があればすぐに落書きしてしまう。そんな女の子だ。現在のように豊かではない時代。鉛筆ひとつとってみても満足に手に入れることはできない。それでも彼女は描くことを止めない。物語の中では繰り返し、繰り返し、絵を描くシーンが挿入され、彼女にとって絵を描くことがとて
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