「聖ヤコブの日」の祝祭を控え、巡礼者や観光客でにぎわい始めたキリスト教の聖地を「地獄」に一変させた高速鉄道脱線事故。報道などから再現した。 列車が首都マドリードを出発したのは24日午後3時(日本時間同10時)。同8時41分、サンティアゴ・デ・コンポステラ駅の約4キロ手前の左カーブに差し掛かった。「列車はとても速く走っていた」(乗客)。国鉄によると列車は5分遅れており、運転士が遅れを取り戻そうと高速運転していた可能性もある。 その瞬間、乗客らは耳をつんざくようなごう音に襲われた。脱線した車両から炎が上がり、一帯は煙に包まれた。客車1両は宙を舞い、線路から5メートルの高さの側道まで飛んだ。「どうしよう」。運転士の1人は電話で話したという。 5分ほどで救急隊が駆け付けた。現場付近の臨時診療所は、金属片が体に刺さるなどした血まみれの人で埋まった。(共同)