前回は,電子証明書を使ってアクセスの可否を判断するシステムで,アクセスができないという顧客からの問い合わせに対し,どの様な原因が考えられるかについて,過去に多かった事例を4件挙げた。今回は,まずこれらについて説明したい。 (1)顧客のブラウザに電子証明書が正常にインストールされていない 顧客自身にブラウザに電子証明書をインストールしてもらう運用となっている場合に,このケースによく遭遇した。顧客側では,普段のブラウザの利用では使わないようなメニューと,見慣れない(しばしば日本語として意味不明な直訳の)メッセージに困惑しながら操作することになるため,操作ミスなどが原因で正常にインストールされていない場合が多かったのである。 特に,電子証明書を発行する際に,顧客のPCのスペックやネットワークの状況,認証局側の負荷の状況によっては,ブラウザ側での鍵生成から,認証局での発行,ブラウザへのダウンロード