全国の電力会社で初めて砂防ダムを利用した須砂渡水力発電所=長野県安曇野市(中部電力提供)48年ぶりの「水路式水力発電所」になった栃川発電所=長野県栄村(東京電力提供) 電力会社が、農業用水や砂防ダムなど、これまで発電にあまり使ってこなかった水に目を向け始めた。大規模なダムをつくって水力発電をすることはできないが、水力は太陽光と違って夜でも雨の日でも発電できるため、少しの水でも有効に使おうという狙いだ。背景には、産業界が温室効果ガスの排出削減を問われていることがある。 東京電力は昨年12月から、長野県大町市の高瀬川支流で農業用水を使った発電所を建設している。用水をためておく池と約114メートル下の発電所を管でつなぎ、管の中で水を落として発電する。 出力は1千キロワットで、来年6月に運転開始予定。農業用水を使った発電所は東電では1931年以来79年ぶりだ。 同県栄村の栃川でも昨年12月