ビフィズス菌が母乳中のオリゴ糖を代謝する酵素の立体構造を解明した。この酵素は作用する際に全体の形を歪めつつ大きく動くことが分かり、特殊な分子進化を経てヒトの糖鎖成分を分解するようになったと考えられた。 背景: 母乳栄養乳児の腸内にはビフィズス菌が速やかに定着することは半世紀以上も前から知られており、ビフィズス菌の定着は乳児の健康に寄与していることが古くから指摘されていました。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所の北岡本光・ユニット長らは、2005年に、母乳中に存在するオリゴ糖を構成する特異な二糖である「ラクトNビオース(注1)」を分解する酵素の遺伝子をビフィズス菌から発見しました。その後、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所、東京大学大学院農学生命科学研究科、京都大学大学院生命科学研究科、石川県立大学生物資源工学研究所の四機関で共同研究を行い、ビ