オレイン酸に水素を付加させるとステアリン酸になります。 ステアリン酸 C17H35COOH の融点は69℃ オレイン酸 C17H33COOH の融点は14℃ です。ステアリン酸は常温で固体です。オレイン酸は常温で液体です。 オレイン酸を成分とする油脂に水素を付加させるとステアリン酸を成分とする油脂になります。液体状の油脂が固体状の油脂に変わります。このような変化を「硬化」と呼んでいます。マーガリンの製造の原理です。 ステアリン酸は牛脂などに多く含まれています。オレイン酸はオリーブ油などに多く含まれています。 塗ったばかりのペンキはべとべとしています。時間が経つとべとつかない、ツルッとした感触の膜になります。これが「乾く」という変化です。油絵の表面の変化も同じです。あぶらではなくてプラスティックスのフィルムのような物に変わるのです。 油脂の分子自体はそれほど大きいものではありません。流れま
種子から搾油したばかりのオイルは濃い褐色で不純物を多く含み、極めて流動性が高く、また、乾燥も遅い(画材として市販されている各種のオイルは、不純物を取り除く等の精製を行なわれており、その結果、画材として使い心地の良い製品となっている)。未精製オイルは、水で洗浄して不純物を取り除き、太陽の光に晒して漂白すると、透明なオイルになる。本項では未精製のオイルを洗浄・漂白する方法を紹介する。当然のことながら、通常の画材用乾性油はすでにこの工程を経ているので、このような作業は必要ない。オイルへの理解を深める為、あるいは未精製のオイルを自身で精製して使用するというのが本項の目的である。オイル精製について私が最も参考にしたのは、A. P. ローリーの名著Painter's Methods and Materialsであり、本項のかなりの部分もその書に依っている。 工場での精製工程 乾性油に限らず、一般に市販
オイルの加工(サンシックンド油,ブラックオイル) 本頁では生の乾性油を「日光に晒す」「火を通す」などして加工する方法を紹介。予め「乾性油」及び「乾性油の精製」を通読のこと。 現代の油彩画では、加工していない生のオイルを利用するのが一般的だが、古くからボイルしたり空気や日光に晒す、また酸化物を混ぜるなど様々な加工が行なわれてきた。それらは油彩登場初期からバロック以降の時代に至るまで、技法に関する記述などにも残されており、幅広いバリエーションがあるが、ここではシンプルに空気と日光に晒すサンシックンドオイル、および鉛と共に煮てつくるブラックオイルを実践する。先人が手記などに残した様々な方法については、ラングレ著『油彩画の技術』は読みやすい日本語で触れているので、そちらも参照されたし。 サンシックンドオイル サンシックンドオイルは、生のオイルを、空気が通る状態で長期間太陽光に晒して作る。強い乾燥性
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