夜桜を眺めながら一人で歩いていると、ほの白い花に、早逝した友だちの顔を思い出す。白い花が、お棺のなかの白い顔を思い出させるのだろうか。 若くしてこの世を去った友だちについては、こちらが年経るごとに、「なにか手立てはなかっただろうか」という思いが、「今ならこんな手立てがあったのに」となることがあって、それがせつない。 あるいはこんな連想は、夜も咲いている花が、昼の世界と夜の世界を繋げ、そしてそこから冥界までも繋げていそうに感じるからだろうか。坂口安吾の『桜の森の満開の下』のイメージも抜きがたくあるのは間違いない。 桜の森の満開の下 (岩波現代文庫) 作者: 坂口安吾,近藤ようこ 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/10/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る また、春になると花粉症になるわたしはもともと喘息持ちなので、花粉症が佳境(え?)に入ると、呼吸器