「戦線を離脱することをお詫(わ)びいたします」--。18日、JR北海道の中島尚俊社長(64)が遺体で発見され、同社は社員向けの遺書内容を公表した。5月のJR石勝線トンネル内での列車脱線炎上事故を受け、信頼回復に取り組む部下を励まし、感謝の言葉をつづっていた。小池明夫会長は「社長の死亡を、このような形で皆様に報告することは大変申し訳なく、つらく、残念だ」と沈痛な表情で語った。 午後7時半から札幌市中央区の本社で会見した同社によると、中島社長の自宅に残されていた遺書は約10通で、うち1通が「社員の皆さんへ」の表題、4通が幹部宛てだった。中島社長と同期入社だった小池会長が社員に向けたA4判1枚のワープロ打ちの文書を読み上げた。 遺書で社長は「脱線火災事故を反省し、全社をあげて企業風土の改善などに取り組んでいる時に、真っ先に戦線を離脱することをお詫びいたします」と謝罪。そのうえで「お客様の尊い人命