著: 高橋ユキ 就職難で想定外の上京。新宿では悪徳セールスに捕まり…… ずっと福岡から出たくないと思っていた。修羅の国などといわれる北九州市で生まれ育ち、大学進学を機に福岡市で一人暮らしをした。この福岡市の住み心地があまりにもよすぎて、できれば住み続けたいと思っていたが、おりからの就職氷河期により、東京に出てきた。 いつか福岡に帰る……そんな思いは、いまもしぶとく私のなかにある。なのに、なんだかんだ、福岡を出てからの人生のほうが長くなってしまった。結婚し、子どもまで育てている。すっかり“生活”をしながら、それでもどこか旅人のような気持ちで、東京での暮らしを続けている。 そんな自分が、かつて独身時代に住む場所として戸越を選んだのには、いくつか理由があった。一つは単純に当時の職場へ通うための乗り換えが楽だったから。また、心地よい池上線沿線であることも大きい。 気分は旅人だから、休みの日に東京の
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