日本企業が海外で勝つための唯一の方法は、高くても売れる「ラグジュアリー戦略」を取ること。豊富なケーススタディを通して解説する。 日本の企業が生き残るための唯一の戦略 海外に進出する日本企業が目指すべき道筋は何か。結論から言えば、日本らしさを生かして「高くても売れる」ブランドを実現するラグジュアリー戦略しかない。 といっても、必ずしもラグジュアリーブランドである必要はない。製品がラグジュアリーであることとラグジュアリー戦略とは必ずしも一致しない。仮にラグジュアリーではなくても、ラグジュアリー戦略を採用することは十分に可能である。 だが、日本の現実に目を向けると、その反対路線を邁進していると言わざるをえない。価格を下げることしか頭になく、価値づくりから背を向け、長くコストダウンの消耗戦から抜け出せないでいる。工場を中国の沿岸部に移転し、人件費が上がると内陸奥地にシフトして、そこでまたコストが上