(1)ピケティによって格差に日の目があたった 格差を語る本はたくさん出版されていたが、売れない。ピケティ・ブームが起き、『21世紀の資本論』が売れたことで、格差問題が日の目を見た。【池上彰】 小林多喜二『蟹工船』ブームは一回限りで終わった。ピケティ・ブームは一回の現象で終わらせてはいけない。さらに言えば、ピケティを超えなければならない。【佐藤優】 ピケティは、日本国内で評価が分かれている。経済的な格差だけでなく、格差をどう評価するか、格差の有無をめぐる意見の格差が広がっている。【池上】 佐藤優はピケティにきわめて批判的だ。ピケティによれば、格差を無くするためには、最終的には国家が税金をたくさんとって、再分配するという話になる。それ以外にできることはないのか。池上・佐藤の対談【注1】で一つの答えを出した。【佐藤】 (2)テレビのお笑い番組で貧困を笑えた時代 1980年代前半のテレビ番組「オレ