中間決算発表を予定より早め、「非開示」だった業績予想を公表したソフトバンク。キャッシュフロー予想も出し、資産担保証券750億円の損失リスクを明かすなど「投資家の不安に応えるため」(孫正義社長)に、例年にない情報開示を行った。 “見えない不安”の解消に努めた結果、10月下旬の決算直前まで売り込まれた株価もひとまず反発した。さまざまな開示が行われた中、実は今後の展開を見るうえで重要な情報があった。2009年度の増益要因の一つとして挙げた「不良債権の改善効果100億円」がそれだ。 膨らんだ不良債権 通信会社の「不良債権」とは、契約後に通信料金を踏み倒されたり、割賦契約で販売した端末代金が支払われない債権のことをいう。携帯会社は販売時に多額の顧客獲得コストをかけており、料金回収のメドが立たないものは、貸し倒れ費用として跳ね返る。 ソフトバンクモバイルの藤原和彦CFOは「前期までの累計で貸倒引