出版デジタル機構が展開する書籍の電子化事業「パブリッジ」。半官半民の産業革新機構と、大手・中堅出版社15社以上からの出資を受け、5月には凸版印刷グループとの間で電子書籍取次大手ビットウェイの買収を発表、10月1日付けでそのビットウェイを合併により統合し注目を集めている。 一方で、その機構が昨年関わった経済産業省の『コンテンツ緊急電子化事業』、通称緊デジの成果には疑問の声も上がる。スタートから1年余り、外からはその概要が掴みにくいこの事業について、再び野副正行代表取締役社長に話を聞いた。 進む電子化とKindle未供給の理由 ―― まず、パブリッジ事業の現状を聞かせてください。 野副 事業開始時からの外部環境の変化として、電子書籍を巡る環境は非常に整ってきたと思います。楽天kobo、Amazon Kindle、Apple iBookstoreなどの電子書籍サービスが続々と登場し、電子書籍端末