出版社の編集者同士が、お互いの手がけた本を正面から書評し合う。そんな試みが小冊子「レビュー合戦」にまとまった。参加したのは白水社、みすず書房、東京大学出版会。取り上げた24冊を集めたフェアが今月から、全国50書店で順次開かれている。 「編集者として日々、本の打ち出し方に悩んでいる身としては、お手本のような仕事である」。渡辺浩『日本政治思想史』(東京大学出版会)を評したのは、白水社の竹園公一朗さん。同業者のうらやむ気持ちも交じった率直な感想がつづられる。 24冊は世に出て時間のたったものがほとんど。しかも、ちょっととっつきにくい人文書だ。「古びていない中身の詰まった既刊書に、もう一度光を当てたい」と、東京大学出版会販売部の沢畑塁さんが企画を持ちかけた。 各社が約30冊ずつ持ち寄って、共通の話題での結びつきを考え、「戦争とその暗部」「資源再考」などの10テーマ計24冊に絞り込んだ。 意外な結び