■討論まとめ 本討論のまとめは、主な論点について、筆者がやりとりの要旨と考えられる点をまとめたものである。 □日本の著作権政策形成過程の特徴 本年(2012年)閣議決定された日本版フェアユース規定の形成を例に議論が行われた。主には、法案として示されたフェアユース規定に強い不満が示された。 同改正法案については、最終的な条文が審議会が提示した条文案から後退したとの意見が強いことが紹介された。一般規定として提案されたものが事実上個別規定化した(とりわけB類型は制限事由が縮減され、C類型は個別規定化したように見える)との意見が示された。 審議会段階では、いま問題が起こっていなくても将来への対処が必要であるとの議論であったにもかかわらず、その後修正が行われてしまったこと、しかも過程や根拠が見えていないことが問題として指摘された。また、個別規定となるとそれ以外は禁止されているものと解釈されてしまうた