南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 中学2年生のとき、性格がすっかり暗くなった。 そもそも私が過ごした山形県のH中学校がじつにやばいところだった。当時は、野蛮かつ粗暴な空気に満ちあふれ、教師はそんな事態を見て見ぬフリ。完全に学級崩壊を起こしていた。野球部の練習についていけず、ドロップアウトした私はクラスのハミダシ者で、残忍なヤンキーの暴力や、優等生ぶったクラスメイトが唱える正論に、いつも震え上がっていた。そしてなにかと理由をつけて、学校を休むようになった。 とはいっても、学校がすべて悪かったわけではない。最大の原因はやはり私にある。あのわけのわからない思春期という季節に陥り、自分自身がコントロールできなくなった。意味もなく自意識過剰で、根拠のない自信に満ち、自分中心に世界が回らない