呪われたレッドソックス 1975年のシーズンが始まる前、アメリカン・リーグの東地区を制するのはヤンキースだろうという予想が大方だった。なにせ前年最多勝のキャットフィッシュ・ハンターをアスレティックスから、そしてジャイアンツからボビー・ボンズ(バリー・ボンズの父)をも獲得していたのだ。しかしこの年ボストン・レッドソックスには強力なルーキー外野手が二人も現われる。そしてヤンキースを見事突き放し、ワールドシリーズへと勝ち進んだのだ。 その一人の名はフレッド・リン。彼は大学野球界でもスターで日米大学選手権でも大活躍していたので、その名は日本でも知られていた。成績は打率.331、21ホーマー、105打点。MLB史上初の新人王とMVPのダブル受賞を達成した。さらに一つ年下のジム・ライスも打率.309、22ホーマー、102打点とリンと比較しても決してひけを取らない立派な成績を挙げたのだった。いや、9月
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