しかし、外国にルーツを持つ子どもにとって必要な支援が、「障害」という形で表現されるものと重なるとは限らない。発達障害が疑われて特別支援学級へ編入されたが、日本語がわからなかっただけであったり、そもそも入学以前に「基礎教育」を受けていなかったことが問題だったというケースもあるという。言語や文化的なふるまいが異なるために通常学級での学習に難しさを覚える子どもにとって、必要な教育環境は他の児童とはまた異なるものだろう。 また、外国にルーツを持つ子どもが日本にルーツを持つ子どもとは異なると認識して、その児童のためにうかつに特別学級を編成することで、後述する学級隔離のような事態を招き、構造的な分断や、ゲットーのような差別的空間を形成してしまう危険性もある。公教育で用いられる言語が十分にできないことで特別支援学級に編入される可能性があるのであれば、それ自体は国籍や民族籍とは異なる位相での問題だが、その
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