私は若くして両親ともを病気で亡くした。母が先に逝き、2年後父がそれを追うように逝ってしまったのは私がまだ大学生の頃だった。ってまあそれは前置きなんでどーでもいいんですけども。 父はとあるジャンルのマニアだった。まあ今だったらオタクと言っていいだろう。おかげで父亡き後には押入れ一杯の関連書籍が残された。正直困った。私にも兄弟にもさっぱり興味が無いジャンルの膨大な本たち。ただし私も兄弟もオタクだった。オタクの子はオタクなのだ。オタクの本に対する愛着執着はよーーーーくわかっていただけに無碍に捨てる気にもならず、主をなくした本たちは長いこと押入れで眠りについていた。 そんなこんなで月日は過ぎて父の十三回忌も終わったころ、兄弟の結婚を期に我が家も色々事情が変わり、自宅の整理をせねばならなくなった。押入れ一杯の本もどーにかせねばならない。押入れたるもの永久の安息の地ではない。家がなくなれば押入れも