元プロ野球選手でタレントの清原和博が覚せい剤取締法で逮捕されて以来、覚醒剤の恐ろしさが広く喧伝された。しかし、それだけでなく、清原自身が広域指定暴力団の幹部と偶然に出会えたことを喜んでいた様子や、みずから刺青を入れていたことなど、ヤクザとの関係にも注目が集まっている。暴力団事情に詳しいジャーナリストの溝口敦氏と鈴木智彦氏が、日本人とヤクザの独特な距離感について論じた。 * * * 溝口:清原事件は、あらためて暴力団が捌く覚醒剤が世間に蔓延していることを知らしめました。密売人の逮捕にとどまり、入手ルートの全容解明には繋がらないと語る人もいますが、一罰百戒という意味では捜査当局は目的を果たしたと言っていいでしょう。 鈴木:メディアは清原とヤクザとの関係性に注目していますが、プロ野球選手がヤクザに近づくことが問題になるようになったのは、実は最近の話ですよね。暴力団排除条例が施行される前までは、暴