ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問について、ロシア情勢に詳しい元外務省欧州局長(当時・欧亜局長)の東郷和彦・京都産業大学教授は毎日新聞のインタビューに「7月の択捉島での軍事演習や事実上の対日戦勝記念日制定などの延長線上にある」との見方を示した。3日に一時帰国した河野雅治駐ロシア大使は菅直人首相らに「12年の大統領選を見据えた国内向けの動き」との分析を伝えた模様だが、東郷氏は麻生、鳩山両政権の瑕疵(かし)が要因との見方を提示。現在の政府・外務省とは真っ向から対立する見方に立って警鐘を鳴らしている。【西田進一郎】 東郷氏は最近1年間の日露関係を考察し、(1)ラブロフ外相が7月に演説した際、アジア太平洋で協力関係を進めたい国として韓中印ASEAN(東南アジア諸国連合)などを挙げたが日本は含まれなかった(2)7月に択捉で軍事演習(3)9月に太平洋戦争勝利記念日制定−−などを挙げ、「顕著に