求愛相手に「恋のヤリ」を突き刺すナメクジ、世界で最も長い昆虫、肺のないカエル--。世界自然保護基金(WWF)は22日、東南アジアのボルネオ島中心部にある熱帯雨林で、07年以降、新たな動植物123種や、既知の種の新しい生態が発見されたとする報告書を発表した。 新種は植物67種、魚17種、カエル5種、ナメクジなどの無脊椎(せきつい)動物29種、ヘビ2種、トカゲ2種、トリ1種。このうち体長4センチのナメクジは、鮮やかな緑と黄色の体、長い尾が特徴。生殖器に付いた小骨のような「恋矢(れんし)」と呼ばれるヤリ状の構造物を交尾相手に突き刺し、ホルモンを注入して生殖の機会を増やす。最も長い昆虫は、全長56.7センチのナナフシ。また、既知のカエルの一種が、肺を持たないことも分かった。皮膚呼吸をしており、頭が平たいのは体の表面積を広くするためとみられる。 WWFによると、ボルネオ島では伐採やヤシ油の原料になる