深夜、NICUに入院中の新生児の様子をチェックする古川さん(左)=宮崎市の宮崎市郡医師会病院で 午前3時。宮崎市の宮崎市郡医師会病院で古川誠志産婦人科医長(40)の院内用携帯電話が鳴った。 「お産の最中なのですが、胎児の心音が落ちてきました。そちらで診ていただけますか」 地元の産婦人科開業医から救急の受け入れ要請だ。自宅待機番の医師に連絡、1階の救急処置室に駆け下りた。出産の緊急事態は医師1人では対応しきれない場合があるため、必ず他の医師を呼び出す。 心音の低下――。赤ちゃんを救うために緊急帝王切開が必要になったり、胎盤の早期はく離が原因なら母体から大出血したりする危険もある。「何が起きるかわからないので、気が抜けません」と古川さん。 同病院は、4人の産婦人科医が24時間態勢で勤務。普通の初診患者は扱わず、開業医から異常を指摘された患者を専門に受け入れる。昨年の出産件数は467件。8割は、