ソニーの出井さんとは、彼が現役だった5年ほど前に何度かお会いしたことがあるのだが、一番印象に残っているのが、「ソニーの一番の敵はNTTドコモ」という彼の言葉。それまで若い人たちが、AV機器や音楽・映画に使っていたお金が、携帯電話の通話・通信料金にシフトしてしまっていることを嘆いてのことだ。 そう考えると、そのころから始まったiモードを足がかりとする携帯電話の普及と、2003年のソニーショックには、確かに深い関連があるように思えてくる。 では、5年後の今の時点でのソニーの(もしくは日本の家電・ゲーム業界の)一番の敵は誰だろう。もちろん個別の市場では、Samsung、Apple、Microsoftなどとと戦っているし、携帯電話の通話・通信料金は相変わらず高いが、もし出井さんがまだ現役だったら、「一番の問題は、若い人たちのテレビ離れ」と言うのではないだろうか。 注目すべきなのは、今の若い人たちが