光には必ず影が伴う――。一連の騒動は、そのことを全ての人に改めて知らしめた。この国で最後の「聖域」、芸能界。強烈な個性と、したたかな駆け引きがものを言う世界に、世間の常識は通用しない。 一連のSMAP解散劇は不思議な事件だった。 音楽、ダンスのグループは個人の集まりである。好き嫌いといった人間関係、方向性、様々な理由でときに集団内には不協和音が起こり、解散に至ることもあるだろう。ところが、SMAPのメンバーが神妙な顔つきで謝罪する様は、彼らが得体の知れない何かで縛られているようだった。 メンバーは最年少、39歳の香取慎吾を除いてみな40歳を超えている。社会的に十分に判断力があると考えられている年齢である。その彼らに解散の自由さえないことは不気味だった。ニューヨーク・タイムズはこの解散を報じる記事の中で〈長い場合には10年以上にわたって、稼ぎの半分以上を取り上げる「奴隷契約」を結んでいる
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