世界中の海にあまた浮かぶ原油タンカーですが、ひとたび事故を起こせば、環境や経済活動に重大な影響を及ぼしかねません。なかには実にささいな人為的ミスが、2兆円規模の経済損失につながったケースも見られます。どう防ぐのでしょうか。 東シナ海のタンカー沈没事故、その後どうなった? 化石燃料からのエネルギー転換が叫ばれて久しいですが、世界中の海上にはいまもなお、365日24時間、実にたくさんのタンカー(油送船)が航行しています。1隻で膨大な量の原油および重油や軽油といった燃料を運ぶことができますが、それゆえ、これが事故などで大量に流出するようなことになれば、自然環境や経済活動に重大な影響を与えかねません。 1997年7月2日、東京湾にて油流出事故を起こした「ダイヤモンド・グレース」(画像:国土交通省)。 記憶に新しいところでは2018年1月上旬、東シナ海にてパナマ船籍タンカーSANCHI号がコンテナ船