かつて日本全国を走り回っていたキハ58系ディーゼルカーが、遠く離れた中国の港湾地帯で「放置」されています。なぜ中国に渡り、何にも使われずに放置されているのでしょうか。 中国の国際貿易港に昔懐かしい「キハ」の姿 中国の首都、北京から南東約120kmの位置にある「天津」。人口およそ1500万人を誇る、中国でも有数の大都市です。渤海に面した天津港を有し、国際貿易の拠点としても成長しました。 国際貿易を担う港湾や空港には、税関手続きが完了していない物品を一時的に留め置くスペースがあり、「保税区」「保税地域」などと呼ばれています。天津港にも保税区が設けられていますが、ここに日本のJR線で運転されていた「キハ58系」の廃車体が2両、なぜか10年以上にわたって放置されているといいます。 キハ58系の廃車体2両が縦一列に並ぶ、中国の天津港(2018年1月14日、草町義和撮影)。 キハ58系は、非電化路線の