最近、スーパーでも居酒屋でも以前と比べて見かける機会が多くなった鯨肉。価格も下がってきており、鯨肉好きとしてはうれしい限りなのだけれど、近年の高級化に伴って消費者の鯨肉離れが進み、思ったほど消費が伸びていないようなのだ。このままでは、鯨肉の売り上げを財源としている調査捕鯨に支障を来す恐れも出てきているのだとか。 古来、獣肉をあまり食べない日本人にとって貴重なタンパク源だった鯨肉。明治維新後に洋食文化が入ってきても、鯨肉は値段が低いため、庶民にとっては大事な食材だったのだ。しかし、1982年に国際捕鯨委員会(IWC)で商業捕鯨の一時禁止措置が決議されて以来、日本でも88年に商業捕鯨を中止し、鯨肉の供給源は日本鯨類研究所が行っている調査のみとなったのだ。かつてのような庶民性は陰をひそめ、消費者には「手に入りにくい高級な食材」というイメージが植え付けられてしまった。ぼくより後の世代の人たちにとっ