大学を卒業しても正社員として就職することが難しい時代になった。4人に1人が正社員の就職口を得られない状況に、多くの学生たちが強い不安感に襲われています。大学進学率が5割超となり、学生数が増大している一方で、学歴に見合った雇用の受け皿が縮減するという、教育機会の拡大と仕事の機会の齟齬は欧米にも見られる現象ですが、新卒一括採用、採用活動の早期・長期化、曖昧な採用基準など日本独特の採用システムが大学から社会へのスムーズな移行を困難にしています。文部科学省から依頼を受け、「大学と職業の接続」を検討してきた日本学術会議は来春、新たな採用システムとして「大学教育終了後の就活の推進」などを提言する方針です。波紋を広げると見られる提言の狙いなどについて、まとめ役の本田由紀東京大学大学院教育学研究科教授に話を伺いました。 ■Profile 本田 由紀(ほんだ ゆき) 東京大学大学院教育学研究科博士課程単位