年金記録の記載漏れに職員の使い込みと、公的年金に対する国民の不信と不安は膨らみ続ける。しかし、老後への不安要素はそれだけではない。いま、生命保険会社の個人年金商品に関して、アテにしていた年金額の数分の一しかもらえないといった苦情、トラブルが噴出しているのだ。 都内に住むA子さん(50歳代後半)は、長く自営業を続けてきた。そろそろ「老後」のことを真剣に考える時期だが、公的年金は国民年金のみ。「これだけでは不安だ」と思っていたある日、あることを思い出した。 20年ほど前、ある生命保険会社から勧められた「個人年金」に加入していたのだ。これが助けになるはずと思い返し、生保にもらえる年金額を問い合わせたところ、意外な答えが返ってきた。 「お客さまの保険は、年金にすることができません」 A子さんが加入していた保険は、いわゆる「個人年金保険」ではなく、本来死亡保障を目的とする「終身保険(死亡保険金100