10月末でバス事業を廃止した井笠鉄道(笠岡市笠岡、資本金1億5千万円、関藤篤志社長)は2日、岡山地裁に破産手続きの開始を申し立てた。民間信用調査会社の帝国データバンク倉敷支店によると、負債総額は約32億3600万円の見込み。 同支店などによると、同社は1911年に創業し、軽便鉄道を運行。バス事業は25年に参入し、鉄道事業から撤退した71年からはバス専業となり、「井笠バス」の名称で岡山県西部から広島県東部をカバーしていた。 しかし、マイカー普及や沿線の過疎化などで利用客が減少。1997年3月期に約22億3200万円の売り上げ(営業収入)は、2012年3月期は約9億円まで落ち込み、10月12日に中国運輸局岡山運輸支局へバス事業廃止届を提出。従業員155人は同31日付で解雇した。 路線バス廃止を受け沿線自治体は中国バス(福山市)などに依頼し、11月から来年3月末まで71路線のうち53路線で代替運