目的の一つは中国需要の獲得 「AQUOS(アクオス)」の名を高めた「亀山モデル」の生産拠点である亀山工場(三重県)が、一転してシャープの重荷になっている。ゴールドマン・サックス証券アナリスト、藤森裕司氏は、「亀山第一工場をつくったのはよかった。が、亀山第二工場までつくったため、自社でさばけるボリューム以上のキャパシティーを持ってしまった」と指摘する。 部材の調達から部品の組み立て、最終製品化までの一連の流れを国内の生産拠点で完結させるような経営を、一般的に「垂直統合」という。シャープでは、これをより発展させ、組織横断的な開発チームを編成して技術革新を図り、さらに先進的な製品を生み出すという独自の「スパイラル戦略」を標榜してきた。 「しかし、スパイラルになるどころか、社内での需要と供給のミスマッチが起こり、在庫の問題となって、去年、重くのしかかった。シャープが40年間、培ってきたビジネスモデ