高野山真言宗の八事山興正寺(やごとさんこうしょうじ〈名古屋市昭和区〉)の真向かいに今月、プレハブの「本堂」が現れた。総本山金剛峯寺(和歌山県高野町)が、罷免(ひめん)した前住職に興正寺を2年近く実効支配されているため建設。25日に落慶法要を執り行う。 興正寺の住職は登記上、罷免された梅村正昭・前住職から、総本山で執行部トップの添田隆昭宗務総長(兼務)に1月に移っている。添田総長は2月に名古屋を訪れたが、前住職側に門前払いにされ、寺の建物や書類などの引き渡しを求めて5月に提訴した。 法廷での決着は長引けば数年先だ。そこで総本山は、プレハブ建て1階で約80平方メートルの「本堂」、興正寺連絡寺務所を道路の反対側に建てた。ここも興正寺の土地でマンションのモデルルームがあったが、7月末に総本山に返された。 「本堂」では、高野山から預かる弘法大師尊像がまつられる。僧侶3人が檀(だん)信徒(しんと)の相