文庫の販売部数減少傾向が続くなか、10月13日に開催された全国図書館大会で、文藝春秋の松井清人社長が文庫本の図書館貸出し中止をお願いした。文庫本の貸し出し増加が市場縮小の一因だという意見に、図書館側は「因果関係を示すデータはない」と反論しているが、出版社の経営が厳しくなれば、当然、図書館にも影響が及ぶことになるわけで……。松井社長の真意がどこまで関係者に伝わっているのか疑問に思ったダ・ヴィンチニュースは、さっそくご本人に話を伺った。 ———全国図書館大会で松井社長が発言した、文庫本の図書館貸出し中止要請が、事前資料から大会前日に朝日新聞に掲載されてしまいました。“文庫本「図書館貸し出し中止を」 文芸春秋社長が要請へ”という見出しだけが一人歩きして、松井社長の真意が関係者に伝わっていないのでは? と感じる部分もあるのですが。 松井清人社長(以下、松井) 図書館大会というのは全国の図書館で働い