食事をまともに用意してくれない母親だった。食べることは生きること。子供なんて死んでもいいと思っていたのかもしれない。 小学生の時、私は朝、何も食べずに出かけていた。彼女は朝食を出さないくせに、家を出ようとする私の背中に「何も食べないと貧血になってみんなの前で倒れるよ!」「何も食べないとみんなに口が臭いって言われるよ!」などの脅しや嫌味の言葉だけは存分に浴びせかけた。 私は給食をできるだけたくさん食べた。何度もおかわりした。「痩せの大食いだね」とクラスメイトに言われたが、そうせざるをえなかった。家に帰ってもおやつなんて出されたことはないし、夕飯だっていつ食べられるかもわからなかったからだ。 彼女が毎日、食事もまともに用意せずに家で何をしていたかというと、リビングにあるテレビの真ん前に寝転がって、又は立膝をして座り込んで、げらげらと下品に馬鹿笑いしながら、音をたてて緑茶をすすり、お菓子をぼろぼ
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