井伊直虎を演じる柴咲コウ(c)朝日新聞社この記事の写真をすべて見る 1月8日にスタートしたNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」は、時代考証の担当者泣かせであるらしい。理由は、女優の柴咲コウ演じる井伊直虎に関する史料が少ないから。直虎は戦国時代に遠江国(静岡県西部)井伊谷(いいのや)の領主だったが、本人に関する史料は8点しか残っていない。同時代を扱った大河ドラマの時代考証で知られ、「直虎」も担当する静岡大名誉教授の小和田哲男氏に苦心のほどを聞いてみた。 大河ドラマの時代考証とは、どんなタイミングで、何をチェックするのか? 当然、脚本家は担当者の著書などを含め、さまざまな文献を読み込んでシナリオを書く。小和田氏によると、上がってきたシナリオを読み、セリフやト書きに誤りがないかや、描かれている状況に史実との矛盾がないかなどを検証するのが主な役割だという。 例えば「直虎」の初回では当初、井伊家重臣