3.3兆円規模の2015年度補正予算が決定された。参院選に向けて大型化すると考えた筆者の予想は大外れで、前年度並みにとどまり、ゼロ成長状態の景気を加速するものではない。同日の金融政策決定会合の結果も、追加緩和がなされたかに見えて、実は補完するだけのものと分かり、日経平均は急騰して下落する展開になった。財政、金融ともに、期待だけに終わり、現状が続くことになる。 ……… 補正予算の中身を税収から見る人は少ないと思うが、ここに当局の意図は表れる。最大の注目点は、消費税収の補正を「しなかった」ことだ。消費税収の10月までの実績は極めて好調で、前年を36%、1.6兆円も上回っている。消費増税の平年度化分の増収予定額が1.7兆円であることを踏まえれば、その好調さが理解できよう。仮に、11月以降、各月の税収の伸びが名目成長率並みの2.7%に失速すると堅く予想しても、予算額を8000億円上回る。 なぜ、こ