菅首相が震災の被災地の視察を取りやめた。「悪天候のため」と発表しているが、枝野官房長官も記者会見で認めたように、政府内でも「賛否両論」あるからだろう。きのうの官邸の発表に私が「被災地の迷惑」とコメントしたら、被災地から「やめてほしい」とか「救助活動のじゃまになる」といった多くの声が寄せられた。インフラも復旧していない状態で、首相のアテンドに自衛隊の貴重な労力をさくべきではない。 これまでも首相の「現場主義」は百害あって一利なしだった。最大の失敗は、原発事故が起こった直後の12日朝に、ヘリコプターで福島原発に乗り込んだことだ。一刻を争うときに現地スタッフの時間を浪費した結果、冷却水の注入が遅れ、建屋を吹っ飛ばすという致命的な失敗の原因になった。 15日朝に東電に乗り込んで「このままでは東電は100%つぶれる」などと3時間にわたってどなり散らしたことも、貴重な時間の浪費だった。この段階では、も