上海国際博覧会(上海万博)の会場は、上海市内の中心を流れる黄浦江の両岸に広がる。南岸にある浦東地区は各国のパビリオンが並ぶ国際色豊かな地区だ。一方北岸の浦西地区は、中国の国営企業や米シスコや米コカ・コーラといったグローバル・カンパニーのパビリオンが並ぶ地域である。 この北岸の一画に「情報通信館」というパビリオンがある(写真1)。中国の通信事業者である中国移動(チャイナ・モバイル)と中国電信(チャイナ・テレコム)による、その名の通り、情報通信をテーマにしたパビリオンだ。 実はこのパビリオンを中心として、万博会場内のエリア全体を使った大規模な通信技術のトライアルが実施されている。その技術こそが、中国が推進する次世代モバイル規格「TD-LTE」である。中国は万博を訪れる各国の関係者にTD-LTEの技術を積極的に披露し、世界にこの技術を広げようとアピールしているのだ。 TD-LTEとLTEは同一規