社長就任から1年。2501億円の営業赤字(2009年3月期)から一転、10年3月期には1171億円の営業黒字にV字回復させた。ただし、これは4300億円に上る固定費削減が主因。真の復活のためには成長戦略が欠かせない。半導体のNAND型フラッシュメモリ(以後、NAND)と原子力発電という2大事業がエンジン役だが、国の支援を受ける韓国勢が躍進を遂げている。東芝は今後どう戦うのか――。佐々木則夫社長に聞いた。 ――成長機会は海外に求めていくと思いますが、東芝がライバル視、ベンチマークとしている海外企業はどこですか。 重電ではシーメンス、半導体やテレビなどはサムスン電子。原子力ではフランスのアレバがいますが、特殊な会社なのでベンチマークとしてはふさわしくない。主に2社を研究しながら、どうやって対処していくかを考えています。 ――開発思想という面で、最近特に存在感を増しているアップルやグーグルとい