中の様子が見えないお店に入るのには、勇気がいる。 性根がチキンな僕は、街中で喫茶店に入るにも慎重を期す。お店の前の道をゆっくりと歩きながらチラチラっと店舗内の様子を盗み見つつ通り過ぎ、Uターンして再度、チラチラっと。 端から見れば明らかに不審であることは百も承知なので、基本的には一往復しかしない。往路と復路、2度通り過ぎた時点で、既に心は決めている。入るか、去るか。 そんな自分にとって、「中の様子が見えないお店」に入るためのハードルはとんでもなく高い。 もちろん、チェーン店であれば各店舗の内装や雰囲気が大きく変わるということはほとんどないため、気にせずとっとこ入っていく。 けれど、個人経営の飲食店に関しては、前情報がゼロの状態で飛び込むことは滅多にない。というか、記憶にない。会社の営業ならともかくとして。「営業員」という前提、言い訳がないと動きづらいのです。チキンなので。 慎重過ぎるという