付近からモモの種が見つかった纒向遺跡の大型建物跡=奈良県桜井市で2018年5月14日午前11時15分、本社ヘリから三村政司撮影 解説 邪馬台国の最有力候補地とされる纒向(まきむく)遺跡(奈良県桜井市)の中心的施設跡で出土した大量のモモの種について、放射性炭素(C14)年代測定で「西暦135~230年の間に実った可能性が高い」との分析結果が出た。遺跡は邪馬台国より後の4世紀以降とする異論もあるが、卑弥呼(ひみこ)(248年ごろ没)の活動時期と年代が重なる今回の分析は、遺跡が邪馬台国の重要拠点だったとする「畿内説」を強める画期的な研究成果といえる。 今回の放射性炭素年代測定と、従来の考古学の基礎研究で得られた成果を合わせると、纒向遺跡の大型建物群は西暦230年までの20~30年の間にあったと絞られそうだ。邪馬台国の「畿内説」をより強める成果で、近畿か九州かという所在地論争は終息に近づいていると