取材・執筆: Kumagai Jinya 1997年9月にビール免許を取得して以来、「周山街道」というブランドのビールを展開してきた羽田酒造。ビールの銘柄は創業以来、アンバーエール、ヴァイツェン、ケルシュの三つ。一般には、もともと1893年に創業した清酒メーカーとしての方が知られているかもしれない。同社は7月10日に民事再生法の適用を申請、同日に監督命令を受けた。地ビール/クラフトビールファンにとっては、信用調査会社や新聞などによる素っ気ない情報だけでなく、「周山街道」というブランドが存続するのかどうかが気になるところである。同社の水谷憲郎・社外取締役に現在の状況を聞いた。 ――今回の民事再生法適用の申請をした理由は何でしょうか。 ビール事業を始める際、3億円の投資をして設備をそろえました。この、いま考えるとかなり大きな規模の金額が経営を圧迫し続けてきて、これ以上耐えられないと判断しました