文藝春秋 平成十八年二月号 天皇さま その血の重み なぜ私は女系天皇に反対なのか わずか一年の議論で決定 これは皇室伝統の破壊ではないか 寛仁親王ともひとしんのう殿下 聞き手 櫻井さくらいよしこ(ジャーナリスト) 櫻井 昨年一月の「皇室典範に関する有識者会議」の設置以来、皇室や皇族のあり方について盛んに議論されるようになりました。しかし、私たちは皇室伝統についても、皇族の方々がどのようにお暮らしになり、何をお考えになっているのかについても、ほとんど知るところがありません。 そんな時、寛仁ともひと親王殿下は、ご自身が会長をおつとめになっている福祉団体「柏朋会」の会報のエッセイというプライヴェートな場所で、「有識者会議」の議論に異議を唱えられました。このエッセイは昨年十一月に読売新聞が掲載して世間にも知られることになったのですが、拝読して、有識者会議の議論の問題点を明解に指摘したものであると思