世界の大手自動車メーカーが威信を賭けて競う、世界ラリー選手権(World Rally Championshio、以下WRC)。F1のようなサーキットレースとは異なり、ラリーは必ず2人1組で行う競技だ。ドライバーは、たとえコーナーの先が見えていなくても、コドライバーが読み上げるペースノートの情報を信じて全開でアタックする。文字通りお互い“命を預け合う”わけで(最近のラリーカーは非常に頑丈だが)、なまじっかな信頼関係ではつとまらない。 コドライバーは、冷静沈着で、頭が切れる人物でなければならない。その証拠に、モータースポーツのチーム首脳陣には、ラリーのコドライバー出身者が多い。国際自動車連盟(FIA)の現会長ジャン・トッド(かつてミハエル・シューマッハを擁してF1のフェラーリ黄金期を築いた人物でもある)も、元コドライバーだ。 スポットライトは照らされないが、勝利になくてはならない存在。そんなコ