試合中にボールが動いていた時間。スクラム、ラインアウトや反則が多いと短くなる。スピードや持久力で勝ちたい日本は、試合のテンポを速くしてこの時間を長くすることを目指す。
ラグビーの全国大学選手権で9連覇と、史上最多を更新し続ける帝京大学。約20年前に就任した岩出雅之監督(60)は最初の10年間に全く勝てなかった反省から、トップダウン型から自ら考える組織へとチームを変革した。4年生が雑用をするなどユニークな指導論の本質に迫る。 トップダウン型の体育会組織が敗因に――最初の10年は勝てなかったそうですね。 「その頃はトップダウンで厳しく指導していました。練習方法から生活のあり方まで、だらしない部分を正そうとしていたので、学生としては居心地が悪かったのだと思います。彼らなりにやってきたことと、私が必要と思うレベルとのギャップもあり、チームの一体感が持てず、一部の人間だけが頑張る組織になっていた。試合になれば誰もが本気になりますが、当日に本気になっても準備してないものは発揮できません」 ――変えようとするきっかけは。 「10年間勝てなかったことも理由ですし、下級生
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